4章 これからのくらしを考えよう  1 環境を守る  (1)水を大切に使おう  わたしたちの家庭のなかだけでなく,工業や農業にも使われている水のほとんどは,川から取っています。川の取水ぜきなどから取られた水は,じょう水場できれいにされ,安心して使える水道の水になります。  川の上流では,水をかくほするため,ダムが建設されています。ダムの建設は大変大きな工事なので,国や県をはじめ,横浜市,川崎市,横須賀市が共同で仕事を進めてきました。また,ダムの建設場所に住んでいた人たちは,ほかの地域にうつり住まなくてはなりませんでした。多くの人の協力で完成した4つのダムは「かながわの水がめ」として大きな役割を果たしています。  (2)使った水はどこへ  わたしたちが食器をあらった水やトイレで流した水は,下水処理場できれいにして自然に返しています。下水道は,きれいな川,湖,海を守ります。 また,雨の時に,道路などがしん水しないように,雨を街から排除する役割もあります。 水環境やわたしたちの生活を守るため,県と市町村では協力して下水道を整備しています。  (3)ごみはどこへ  家庭や会社,工場などから,毎日たくさんのごみが出ています。集められたごみのうち,もえるごみはごみ処理場でもやされますが,かん,ペットボトル,紙パック,びん,古新聞,古ざっしなどは,分けて集められ,ふたたび,しげんとしてリサイクルされています。 [容器包装リサイクル法によるしげんのリサイクル] 「金属」は対象品目であるスチール缶とアルミ缶に選別・圧縮され,主にスチール缶は製鉄原料に,アルミ缶はアルミ原料になります。 「ガラス」は対象品目である無色,茶色,その他の色に選別され,主に無色と茶色のものはガラスびん原料に,その他の色のものは建築資材になります。 「紙」は対象品目である紙パック,段ボール,その他紙製容器包装に選別・圧縮され,主に紙パックと段ボールは再生紙に,その他紙製容器包装は建築資材になります。 「プラスチック」はペットボトルとその他プラスチック製容器包装に選別・圧縮され,主にペットボトルは繊維,シート,ペットボトルに,その他プラスチック製容器包装はプラスチック原材料,高炉還元剤,化学原料になります。 [県内の状況]  2000年度(平成12年度)から2023年度(令和5年度)までの分別収集量の伸び率は,その他プラスチック製容器包装が最大となっています。  これは,生産量の増加や市町村による分別収集の取組が進んだことによるものです。 [容器包装廃棄物の品目別分別収集量(県内)] (2000年度,2023年度の順)  スチール缶 29,225t(トン),8,724t  アルミ缶   8,921t, 13,374t  無色ガラス  30,718t, 21,514t  茶色ガラス   19,182t, 13,021t  その他ガラス  12,934t, 28,184t  紙パック  932t, 997t  段ボール  25,448t, 52,236t  その他紙製容器包装  1,105t, 4,772t  ペットボトル  8,703t, 32,929t  その他プラスチック製容器包装 3,490t,111,091t  ごみになってしまう物を,再利用したり,ふたたび原料として活用したりすることによって,ごみの量をへらし,かぎりあるしげんを節約することができます。  ごみをへらしてきれいなまちにするために,ごみの分別のルールなどを守り,物を大切に使い,しげん回収を手伝いましょう。また,環境に良い商品を選ぶようにしましょう。 [県内の一般廃棄物(ごみ)の状況] はい出量 (最終処分量,減量化量(もやす等の中間処理によりへらされた量),再生利用量,合計,1人1日あたりはい出量の順)  2000年度 60万t(15%),277万t(71%),56万t(14%),393万t,1268g  2012年度 28万t(9%),202万t(66%),76万t(25%),306万t, 923g  2014年度 24万t(8%),197万t(66%),76万t(26%),297万t, 894g  2016年度 24万t(8%),195万t(67%),72万t(25%),291万t, 872g  2023年度 20万t(8%),177万t(68%),63万t(24%),260万t, 768g  2023年度(令和5年度)に県内ではい出されたごみは260万トンで,県民1人1日あたりでは768グラムでした。  両方とも2000年度(平成12年度)をピークにへってきています。 地球温暖化をふせごう  わたしたちは,家庭や学校などで,毎日たくさんのエネルギーを使っています。たとえば,教室で電気をつけるとき,家でテレビを見るとき,車が走るとき,ごみをもやしたりするときにもエネルギーは必要です。  しかし,わたしたち人間がエネルギーを使いすぎることで,石油などがもやされ,たくさんの二酸化炭素が発生し,地球があたたかくなりすぎる,地球温暖化が進んでいます。このまま地球が温暖化していくと,異常気象がふえたり,動物や植物がぜつめつしたり,農作物がとれなくなったりすると言われています。  地球はわたしたち人間だけのものではありません。地球温暖化をふせぎ,みんなが安心してくらせるよう,しげんを大切に使い,ごみをよけいに出さない生活を心がけましょう。  (4)エネルギーを大切に使おう  県内には,県企業庁などによる水力発電所や,民間企業による火力発電所があります。火力発電所で必要な石油や,天然ガスなどの燃料のほとんどは,外国から輸入しています。  こうしたエネルギーの原料の多くは,サウジアラビアなどの中東,マレーシアなどの東南アジア,オーストラリアなどのさまざまな地域から輸入されています。  地球上のしげんにはかぎりがあります。わたしたちは,電気やガスを大切に使うよう心がけていかなければなりません。  また,これからは太陽の光を利用した「太陽光発電」,風の力を利用した「風力発電」,農業用水の力などを利用した「小水力発電」など,環境にやさしい自然エネルギーの利用を進めていくことが必要です。 [日本の電源別発電電力量] (2023年度) (総合エネルギー統計)  原子力  841億kWh(キロワットアワー)  天然ガス  3,248億kWh  石油等  729億kWh  石炭  2,800億kWh  水力  749億kWh  新エネルギー等 1,512億kWh  神奈川県では,県内で使う電力は,できるだけ県内で作って使うことを目指しています。  そのため,太陽光を中心とした自然エネルギーなどによる発電をふやしていく「創エネ」,電力を使う量をへらす「省エネ」,電力をためてむだのない使い方をする「蓄エネ」の3つの取組を,県民や市町村,企業などと協力して進めています。  2030年度(令和12年度)には,太陽光発電をふくめた再生可能エネルギー全体で, 270万kW以上の導入を目標にしています。 [神奈川県内の太陽光発電の導入量] (県環境農政局調) (住宅用,住宅以外,合計の順)  2011年度 16.2万kW(キロワット),4.2万kW 20.4万kW  2012年度 23.3万kW,12.3万kW, 35.6万kW  2013年度 29.4万kW,33.0万kW, 62.4万kW  2014年度 34.3万kW,43.5万kW, 77.8万kW  2022年度 59.2万kW,48.7万kW,107.9万kW  2023年度 64.0万kW,52.3万kW,116.3万kW  ※(住宅用,住宅以外ともに)その年度までに導入された量の合計です。  環境にやさしい電気自動車たち  電池にじゅう電した電気を使って走る電気自動車や,水素を燃料として走る燃料電池自動車は,はい気ガスが出ないため,空気をよごさず環境にやさしい車です。また,電池にためた電気や,水素を使って発電した電気を取り出して使うことができるので,災害や停電の時に活やくすることが期待されています。 [県内の電気自動車の台数のうつりかわり]  ((一財)自動車検査登録情報協会調)  (2015年度,2023年度の順)   電気自動車 5,011台 14,953台   ※ 軽自動車は台数にふくまれていません。  (5)自然を大切にしよう  神奈川県には,すばらしい風景や温泉で知られる箱根,ブナ林が残っており,カモシカなどがすんでいる丹沢など,ゆたかな自然があります。自然は,生き物のすみかであり,人々の心のよりどころであり,いこいの場としてもなくてはならないものです。  しかし人口がふえ,開発が進むにつれて,自然はだんだん少なくなってきました。  一度失われた自然は回復が大変むずかしく,しかもむやみに開発をしてしまうと,がけくずれや川のはんらんなどの災害の原因にもなります。  ゆたかな自然は,わたしたちが祖先から受けついだ財産で,これを大事に守り続けることは,わたしたちの大切なつとめです。  県では,道路や工場など広い面積を開発したりする場合には環境にどのようなえいきょうをあたえるかあらかじめ調べたり,さまざまな動物や植物がいるゆたかな自然環境を守り育てる活動を市町村などといっしょに行うなど,大切な自然環境を守るようにつとめています。  また,森林の間ばつなど,水源環境を守るためのさまざまな活動を,県民のみなさんからいただいた特別な税金(「水源環境保全税」とよんでいます。)を使って,市町村や相模川の上流にあたる山梨県などと協力して行っています。  (6)身のまわりの公害をふせごう  昔は,大気(空気)や水のよごれは,自然のしくみによってきれいになっていました。ところが,住宅がふえ,工場などが多くなると,よごれはどんどんひどくなり,自然の力だけではきれいにすることができなくなってしまいました。  例えば,自動車のはい気ガスなどにより大気がよごれると,わたしたちの健康に悪いえいきょうが出たり,農作物が育ちにくくなったりします。また,下水処理されていない水により川や海などがよごれると,魚がすめなくなったり,飲み水を作ることが大変になったりします。このように,人の活動により,大気や水のよごれなどによるひ害が起きることを「公害」といいます。  県では,自動車や工場などから出るはい気ガスや,水のよごれなどをきびしくきせいしています。また,県内の測定点で,大気や水がよごれていないか,かんししています。  公害の苦情件数で多いのは,そう音や大気のよごれによるひ害です。公害は,多くの人々の生活にえいきょうがあるため,さまざまな対策が必要です。 [県内の身のまわりの公害の苦情件数]  (2023年度)  (公害苦情調査)  そう音     1,523件  大気のよごれ    988件  くさいにおい    434件  しん動       257件  水のよごれ     108件  土のよごれ       5件  地ばんちん下      1件  その他       102件  そう音も公害の一つです。そう音は,工場や建設作業,自動車などから出るものです。夜おそくまで開いている店のカラオケやイベント会場での音や人の声などもそう音となることがあります。  さらに,神奈川県では,アメリカ軍基地の航空機のそう音が問題となっています。  そこで県では,夜間の飛行を禁止するように求めるなどして航空機のそう音のひ害を少なくし,より良い生活環境になるよう基地の周りの市といっしょに取り組んでいます。  大気や水のよごれなどは,地域や国をこえて地球全体にも広がっています。  わたしたちにとって,地球はかけがえのない星です。わたしたち一人ひとりも,自分たちのくらしを見直し,毎日の生活の中で,環境をよごさないように気をつけましょう。 [県内のそう音の苦情件数](2023年)  (騒音規制法施行状況調査)  建設作業   619件  工場など   451件  深夜営業など 166件  自動車     31件  航空機     14件  鉄道       4件  その他    308件  2 くらしを守る  (1)台風や大雨による災害をふせぐ  台風や大雨のとき,がけくずれや川のはんらんなどの災害が起こることが少なくありません。最近では,短い時間にせまい場所で大雨がふることで,急に川の水がふえることなどが問題になっています。  そのため,県では,大雨によるひ害をへらすために,川だけでなく下水道や森林,まちづくりなど,みんなが協力しながら対策を行う「流域治水」という考え方を取り入れています。  こうした中で,県では,市町村と協力して,川を改修したり,くずれやすいがけを工事したり,きけんな場所を前もってみんなに知らせておくなど,災害をふせぐ努力をしています。  (2)地しんのひ害をふせぐ  大地しんは,大変大きなひ害をもたらします。1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神・淡路大しんさいや,2011年(平成23年)3月11日の東日本大しんさいでは,多くのとうとい命が失われました。神奈川県では,大正型関東地しんや,東海地しん,南海トラフ地しん,三浦半島断層群の地しん,都心南部直下地しん,神奈川県西部地しんなど,さまざまな地しんによるひ害が心配されています。  大きな地しんが発生すると,ゆれによって住宅や工場など建物がこわれたり,生活に必要な電気やガス,水道などがとまったりします。また,鉄道やバスなども動かなくなるなど,さまざまなひ害をもたらします。  また,海で大きな地しんが起きると,ゆれによるひ害だけでなく,つ波によるひ害も起きることがあります。さらに,海での地しんは,たとえゆれが小さくても,大きなつ波がくることがあるので,注意しなくてはいけません。  県では,専門家などと協力して,地しんのゆれの大きさや,つ波がどこまで街中などに入りこむか予想した地図を作ったり,「温泉地学研究所」で地しんや火山の研究を進め,対策に役立てたりするほか,「総合防災センター」などのしせつを整えるなど,地しんなどの災害によるひ害を少しでもへらすことができるよう,さまざまな取組を行っています。  また,市町村や病院,自衛隊などとも協力して大きな訓練を行うなど,災害が起きてもたくさんの人を救うことができる努力をしています。  市町村などでは,ひなん場所などを書いた地図を作ったり,住民や観光客などがすぐにひなん場所へにげられるように道路の表示を工夫したりするなど,地しんが起きた時のためにそなえています。みなさんも,防災訓練に参加するなどして,地しんやつ波が起きたときに,安全な行動ができるようにしましょう。  また,ほかの地域で大きな災害が起きた時に,どんな形で協力ができるかも考えてみましょう。  (3)火災をふせぐ  火事は家が焼けてしまうだけでなく,人の命までうばうことがあります。県内では,2023年(令和5年)に2,053件の火事が起きて,55人がなくなっています。  火事が起きたとき,ひ害を大きくしないために,市町村では,消防に力をいれています。また,山林がもえるような大きな火災や,工場や石油コンビナートで起きる特しゅな火災のときには,周りの市町村と協力しあって消火の活動をするしくみになっています。 [県内の火災件数と火事の原因](2023年)  (県くらし安全防災局調)  たばこ         291件  こんろ         204件  放火(うたがいふくむ)  302件  その他       1,256件  (4)交通事故をふせぐ  神奈川県内では2024年(令和6年)に20,750件の交通事故が起き,109人がなくなりました。  神奈川県は全国の中で4番目に交通事故の多い県となっています。特に,高れい者が事故にまきこまれることが多くなっています。また,毎年たくさんの子どもたちが,歩いているときや,自転車に乗っているときに事故にあっています。  交通事故にあわないようにするためには,みんなで交通ルールを守ることが大切です。 [全国の交通事故発生件数ワースト10](2024年)  (警察庁調)  (順位,都道府県,件数の順)   1位 東京都    30,103件   2位 大阪府    24,870件   3位 愛知県    24,506件   4位 神奈川県   20,750件   5位 福岡県    18,473件   6位 静岡県    17,441件   7位 埼玉県    15,831件   8位 兵庫県    15,551件   9位 千葉県    12,587件  10位 群馬県     9,059件 [県内で歩行中・自転車乗用中に交通事故にあった人の数](2024年)  (県警察本部調)  子ども(中学生以下)   歩いている時        422件   自転車に乗っている時    592件  高れい者(65さい以上)   歩いている時      1,163件   自転車に乗っている時    885件  その他の者   歩いている時      2,425件   自転車に乗っている時  3,294件  (5)犯罪をふせぐ  警察は,みんなの命や財産を守るために,犯罪をふせいだり,犯人のたいほ,交通の取りしまりなどを行っています。  神奈川県には,警察署が54か所,交番・ちゅう在所などが565か所[2025年(令和7年)4月1日げんざい]あり,約1万6千人の警察官が働いています[2025年(令和7年)4月]。  最近は,高れい者から電話でお金をだまし取る犯罪や,インターネットを使った犯罪,子どもをねらった犯罪などが発生しています。そのため,警察では,そうさの科学化とスピード化に力を入れています。また,みんなが犯罪のひ害にあわないように防犯ボランティアさんといっしょにパトロールを行うなど,犯罪のないまちづくりに取り組んでいます。 [県内の犯罪の数]  (県警察本部調)  2015年  61,664件  2016年  58,127件  2017年  53,628件  2018年  46,780件  2019年  41,780件  2020年  35,241件  2021年  33,252件 2022年  36,575件 2023年  43,846件 2024年  45,716件  海の安全を守る「海上保安庁」  海上保安庁は,海で事故が起きたときに船や人を助けたり,パトロールなどで犯罪を取りしまったりしています。  神奈川県には横浜・横須賀に海上保安部などがあり,相模湾や東京湾から,はるか遠くの小笠原諸島まで活動しています。  日本の海は大変広いです。海上保安庁は,警察や消防,自衛隊などと協力しながら,海の安全を守っています。  海できけんなことにあったときや見たときは,118番に連絡しましょう。  3 ともに生きる  (1)高れい者とともに  日本人の平均じゅみょうは,男性は81.09さい,女性が87.13さいで,世界のトップクラスです〔2024年(令和6年)〕。  高れい者が元気で生きがいをもってくらせるよう,県や市町村では,早く病気を見つけるための健康しんだんや健康で楽しくすごすためのしゅみ,スポーツ・レクリエーション活動や集まりへの参加のよびかけなどを行っています。  また,体が弱くなり,身のまわりの世話が必要となった高れい者のために,食事やホームヘルパーのサービスなどが受けられるしくみをつくったり,しせつを整えたりしています。 [県内の高れい者(65さい以上)の数]  (神奈川県年齢別人口統計調査)  2000年  117万人  2005年  148万人  2010年  181万人  2015年  211万人  2020年  231万人 [県内の身のまわりの世話が必要な高れい者の割合](2023年度)  (県福祉子どもみらい局調)  【65〜74さい】  身のまわりの世話が必要な高れい者  約4%  そのほかの高れい者        約96%  【75さい以上】  身のまわりの世話が必要な高れい者 約30%  そのほかの高れい者        約70%  高れい者の気持ちを考えよう  高れい者ぎじ体験では,ゴーグルや手ぶくろをつけたり,うでや足におもりやサポーターをつけたりします。これらをつけると,物はみえづらく,つかみにくくなり,うでや足は重く,曲がりにくくなります。このような体験をすると,高れい者の気持ちがよく分かります。みなさんも高れい者の立場にたって考えてみましょう。  (2)子どもたちのために  日本をふくむ世界の国々は,子どもたちにも大人と同じように権利をみとめ,「子どもにとって一番良いこと」は何かを考え,行っていこうという約束をしました。これを「児童の権利に関する条約」(子どもの権利条約)といいます。  子どもたちは,学校へ行ったり,思っていることを言ったりする権利をもっています。また,だれからもいじめられない権利をもっています。  このような子どもたちの権利を守り,こまったときには相談できるように,児童相談所や家庭児童相談室があったり,人権ようご委員や児童委員などがいます。  また,県ではすべての子どもが同じ場で共に学び,共に育つインクルーシブ教育を進めています。  ともに かがやく よろこび   人と違っていてもいい!  自分が考えていることや思っていること,信じていることなどが,人と違っていると,なんだか不安になるときがある。でも,違っていてもいい。正しいと思うことは,勇気をだしてやってみたい。もちろん,ほかの人の考えたことや思っていること,信じていることは大事にするよ。   差別は ダメ  なにがなんでも差別はダメ!髪の毛,目,肌の色,男女,言葉,生まれや育ち,体が不自由なことなどで,変に思われたり,仲間はずれにされたり,いじめられたりするなんて,あってはならない。みんな,大事にされなくては。 (1996年 神奈川県教育庁教育部義務教育課作成「児童の権利に関する条約」啓発用資料から抜粋)  (3)障がいのある人たちとともに  県内には,さまざまなしえんを必要としている人が数多くいます。たとえば,障がいがある人などにとっては,歩道にあるちょっとした段差などが,ふだんのくらしをしていく上で,さまたげになることもあります。  県や市町村では,すべての人がくらしやすくなるように,住宅や道路,駅,公園などの整備を進めています。   そして,障がいのある人が,地域で働いたり,スポーツをしたりと,みんながいっしょに生活していくことが大切です。  身体などに障がいのある児童や生徒が,一人ひとりに応じた教育を受けることができるよう,小中学校には特別しえん学級があり,特別しえん学校(もう学校,ろう学校,しえん学校,養護学校)もあります。   [県内の特別しえん学級の数]  (2024年)  (県教育委員会調)  小学校 819校  3,712学級      20,606人  中学校 392校  1,400学級      6,922人  補助犬とともに  盲導犬は,目の見えない,見えにくい人といっしょにくらし,外に出かけるときに,安全に歩くためのお手伝いをします。  介助犬は,落とした物を拾ったり,指示したものを持ってきたり,手や足を動かしにくい人の日常生活をサポートします。  聴導犬は,耳の聞こえない,聞こえにくい人に玄関のチャイム音など生活の中で聞こえる様々な音を知らせます。   こうした犬を補助犬といいます。  補助犬は,特別な訓練をしています。障がいのある人と歩いているところを見かけたら,あたたかく見守ってください。  ともに生きる社会かながわ憲章  私たちは,あたたかい心をもって,すべての人のいのちを大切にします  私たちは,誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現します  私たちは,障がい者の社会への参加を妨げるあらゆる壁,いかなる偏見や差別も排除します  私たちは,この憲章の実現に向けて,県民総ぐるみで取り組みます  平成28年10月14日 神奈川県  この憲章は県と県議会が共同して,制定したものです。  神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例〜ともに生きる社会を目指して〜  「当事者目線の障害福祉」とは,障がい者に関係するすべての人が本人の気持ちになって考え,本人の望みと願いを大事にし,そして,障がい者が自分の気持ちや考えで,必要なサポートを受けながら暮らせる社会をつくることです。  県は,令和5年4月1日,この条例をスタートしました。  (4)みんなが幸せにくらすために  すべての人は,人として幸せに生きる権利を平等にもっています。これを人権といいます。思ったことを言えるようにすることや,仲間はずれにしないこと,人の命を大切にすることなどは,わたしたちが守らなければいけない大事なことです。  年をとったり,病気をしたりして働けなくなったときも,安心して生活できるように,年金や生活保護,健康保険などの制度があります。 [県内のいろいろな福ししせつ]  (2025年4月)  (県福祉子どもみらい局調)  高れい者のために    3,473か所  からだの不自由な人のために  17か所  母や子のために     2,842か所  また,助けが必要な人を手伝ったり,外国の人たちと仲良くしたりするなどのボランティア活動を行っている人がたくさんいます。「ともに生き,ささえ合う」社会をつくるために,みんなで考え,助け合うことが大切です。  ボランティア活動  ○目の不自由な人に本を読む活動  神奈川県ライトセンターでは,いろいろな本やさっしを声に出して読んで録音する活動を行っています。目の不自由な人は,録音を聞いて,いろいろなじょうほうを知ります。  ○団地住民の交流の場をつくる活動  横浜市にある日野団地のコミュニティールーム「いこいの家」では, さし子やししゅうなどの手芸,各種工作などの集まりを定期的に行い,入居されている方の交流の場をつくっています。  ○韓国・朝鮮の友だちと文化交流する活動  川崎市ふれあい館では,韓国・朝鮮のたいこ(チャンゴ)を通して交流を図っています。  たいこのえんそうなどを通して,韓国・朝鮮の文化をしょうかいし,地域での交流を行っています。  (5)神奈川県に住んでいる外国の人とともに  神奈川県には,28万4,889人〔2025年(令和7年)1月〕の外国人が住んでいます。神奈川県民の約32人に1人が日本以外の国せき(どこの国の人なのかを表すもの)をもっています。  このような県民の中には,歴史的なつながりから,長い間日本に住んでいる中国や韓国の人々が多くいます。さらに,仕事や勉強のために,ベトナムやネパールなど,アジアの国々から来る人々もふえています。また,戦争からのがれて来た人々もいます。  これらの人々は,言葉や生活の仕方がことなる中でくらしています。県は,日本語を勉強する教室や,生活のことを相談する窓口をつくるなど,市町村や県民と力を合わせて,すべての国の人が生き生きとくらせる社会をつくろうとしています。  県では,外国の人たちをささえたり,交流をしたりする「かながわ国際ファンクラブ」という取組を行っています。  また,ことなる文化の人たちといっしょに生活することについて考える場として「あーすフェスタかながわ」というイベントが開さいされています。  (6)世界の人々と仲良くなろう  わたしたちのくらしは,世界の国々と深く結びついています。発電のために使う石油や,わたしたちが食べるパンの原料となる小麦は,外国から輸入され,また,日本から自動車や電子部品がたくさん輸出されています。  このように,深く結びついた世界の国々とともに,平和にくらしていくためには,世界の人たちと仲良くすることが大切です。そして,おたがいをよく知ることは,平和な世界への第一歩です。  県や市町村は,世界のいろいろな国々の地域や都市と友だちのつながりをつくり,文化やスポーツなどの交流を深めています。 [世界とつながる神奈川] ○神奈川県と交流を深めている都市  アメリカ合衆国・メリーランド州  教育やけいざいなどの分野で交流を進めています。  中国・遼寧省  けいざい,青少年,スポーツなどのはば広い分野で交流を進めています。  ドイツ・バーデンビュルテンベルク州  けいざいや環境の分野で交流を進めています。  韓国・京畿道  けいざい,青少年,スポーツなどのはば広い分野で交流を進めています。  ウクライナ・オデーサ州  医りょう,文化の分野を中心に交流を進めています。  マレーシア・ペナン州  けいざい,青少年などのはば広い分野で交流を進めています。  スウェーデン・ヴェストラジョータランド県  福しや環境などの分野で交流を進めています。  オーストラリア・クィーンズランド州ゴールドコースト市  相模湾沿岸の13市町とともに人と海の共生をめざした交流を進めています。 未来の神奈川ってどうなっている? 今,神奈川の人口は少しずつへりはじめ,超高れい社会や本格的な人口減少社会など予測していた社会が現実のものとなっています。2040年ごろには,神奈川の高れい者数はピークをむかえ,総人口は900万人を下回ることが予測されます。 また,世界中に大きなえいきょうをおよぼした新型コロナウイルス感染症の感染拡大,国際情勢の不安定化,地球温暖化のえいきょうによる異常気象など,わたしたちを取りまく社会はめまぐるしく変化しています。 どんな神奈川をめざしていくの? ・誰もが安心してくらせるやさしい神奈川  くらしをとりまく不確実性:あらかじめ社会にかくれている課題を浮き彫りにすることが必要 ・誰もが自らの力を発揮して活躍できる神奈川  少子高齢化・人口減少:社会や地域を支える担い手の不足などが心配 ・変化に対応し持続的に発展する神奈川  まちや産業をとりまく変化:デジタル化の加速や脱炭素化の流れなど時代の激しい変動 どんなことに取り組んでいくの? 神奈川県として特に力を入れて取り組んでいるもの ・ 社会全体で子どもや子育てをおうえんし,「子どもが幸せにくらせる社会」を作る活動をしています。市町村と協力して,保育園などの教育や保育のサービスをもっと良くしていきます。たとえば,県独自の試験を行って保育士をふやします。また,小学生が放課後に楽しくすごせる場所をもっと作ることにも力を入れます。 ・ 脱炭素型ライフスタイル(脱炭素につながるくらし)に変えていく流れを社会全体で進めていくため,未来をになう若者に脱炭素の授業をしたり,企業や団体,研究機関などと連けいしたイベントなどを行います。また,脱炭素につながる新しいぎじゅつや商品の研究開発などをサポートします。 ・ 身近な生活を助ける「ロボット」を広め,ロボット産業を発展させていくため,県内の中小企業をしえんしたり,ロボットを実際に取り入れて実験する「さがみロボット産 業特区」の取組を進めます。 ・ だれもが文化や芸術の活動に参加できるようにするための取組を進めます。また,いろいろな場所で文化や芸術を楽しめるチャンスを作ることにも取り組みます。 ・ 「ともに生きる社会かながわ憲章」の考え方をもっとみんなに知ってもらうために,憲章のPRに力を入れ,障がいに対する理解が進む取組を行います。また,メタバースなども使って,いろいろな人が交流し,障がいのある子どもや人について,よく理解できる場を作ることにも取り組みます。 ・ 規模が以前より大きくなり,起こる回数もふえてきている水害にそなえるため,川の整備を進めるとともに,川が流れる地域にかかわるあらゆる人たちがいっしょになって水害対策を行う「流域治水」を進めます。また,土砂災害から県民の命や財産を守るため,土砂災害防止しせつをつくったり,大きな地しんが起きても,道路の橋が落ちないように補強します。