更新日:2026年7月22日

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第3グループの討議結果(森林管理・シカ管理ワークショップ報告書)

第3グループの討議結果(森林管理・シカ管理ワークショップ報告書)

第3グループ(県民)

ファシリテータ: 羽澄俊裕 丹沢大山自然再生委員会委員

 

第1回グループ討議

シカ管理のゴールとプロセスが見えない

シカの生息地をどの様にもって行くのか見えない。ゴールとプロセスが見えない。

シカは、もともと平野や山麓にいたが、人間活動によって、山に追い込まれた。健全なあり方をどうしたらよいか。里山を含めて考えていくべきではないか。

1500頭といった数字だけがひとり歩きしているのではないか。シカの保護管理の最終形が見えないのに、目標数字だけ出すのは如何なものか。

管理捕獲をこのまま続けて、シカを3分の1まで減らしていいのか。この保護管理計画は、本当に正しいのか。

施策の必要性や適時性の観点から、丹沢で必要なのは土壌流出の防止であり、そのために今、何をやるべきか。

 

地域に暮らす人にとっての施策になっていない

行政中心の施策ではなく、地域に暮らしている方々の施策として検討が必要である。

地域の生活技術とシカ管理・森林管理の接点が必要。都市の人間には、山里の方々の技術がわからない。森林を守っていく技術を伝承していく必要がある。

シカについて地元では、ほとんど関心がないが、水源地の荒廃や侵食が進んでいるというと関心をもってくれる。

 

情報が県民にうまく届いていない

シカと森林と水源との関わり、丹沢の保全との関わりについて、県民への説明が不足しており、情報が県民に流れていない。計画された数字の根拠や目標に向けてどのくらい進捗しているかを県民に知らせる必要がある。

計画の説明、情報提供の方法に工夫が必要である。県民は、ホームページを本当に見ているか。ホームページだけの情報提供では不十分。県のパンフレットは、県の窓口にしか置いていない。紙媒体、マスコミ、ホームページなどは、関心を持たない人は見ない。

情報提供は、色々な媒体を使って繰り返し行うしかない。

現場を見て現状を知ってもらうことが大切。室内の議論を聞いてもよくわからない。また、知りたい人のもとに、説明できる人を派遣する形のイベントをもっと行うべき。

森林とシカの問題を水に絡めると、わかりやすく、関心も持ってもらえるのではないか。

 

県民参加の工夫がほしい

県民が簡便的にデータを収集、提供できる方法が必要。ここ2から3年、シカの密度の変化を感じているが、データとして提供する方法はあるか。山を歩く際にデータを調べられるとよい。

対策の筋書きの中に、県民が参加できるメニューが必要。そうすることで関心を持ってもらうことができ、対策への理解や情報提供につながる。

 

行政的な連携の推進

このワークショップを含めて、農政との関わりが弱い。もっと農政が関わりを持つべき。

県と市町村の連携や市町村の情報共有が重要である。地域の人々と密接に接しているのは市町村である。市町村が情報を持つことが大切。

人口が少なく、声が届かない市町村の人たちが山を守っている。県がバックアップして、都市部の住民に声を伝えてほしい。

県境を超えた隣接県との連携、協調も考えていく必要がある。サルについては、神奈川県と静岡県で協定を結んだと聞いた。

 

水源税の積極的活用

水源環境税をもっと有効に活用するべきである。目標と現実の乖離が大きくなりつつある。保全センターのマンパワーも限界ではないか。目標があるなら人と金をつぎ込むべき。納税者も、県も共通の課題として認識する必要がある。

水源地域の大きな問題であるシカについて伝えていくべきだが、予算は十分ではない。

神奈川県は、全国的に見ても進んだやり方で、モニタリングを行いながらやっているが、県民に知らせていない。情報提供やPRは重要であり、予算をかけるべきである。

 

第2回グループ討議

森林管理とシカ管理について、課題を「シカ管理のゴールとプロセス」、「情報提供の改善」、「県民参加の調査対策の工夫」、「地域住民との連携,協調」に絞って、課題解決のための対応策を検討した。

 

シカ管理のゴールとプロセス

シカの保護と生物多様性の保全を目指す。丹沢にシカがいるメリットも何かあるはず。種の保存から考えることも必要。

中標高の森林でシカを養うために環境を整備するが、あまりシカが集中すると問題もあり、シカ柵で排除すると生活場所がなくなる。混交林を育ててその中にシカの求める植生を復活させ、シカが暮らせるようにしたい。効果が現れるまでには時間がかかる。

低標高の山麓では、地域の取り組みとして、シカが出てきにくくなるよう柵の設置や,定住しないように、ヤブやボサを排除することが必要。

シカは何キロの草を食べるのか。森林ではどのくらい草が育つのか、データを積み重ね、蓄積ができれば、丹沢に何頭のシカが暮らしていけるのか、シカが暮らしていくために何ヘクタールの森林を整備しなければならないか、数的に評価できるのでは。

シカが暮らしていくエリアは狭くなっている。丹沢だけで考えるのか、他県まで考えていくのか考える必要がある。

 

情報提供の改善

県のたよりは、回覧もされるし、駅にも置いてある。何度も継続的にやれないか。

e-TanzawaでQ&Aという形で疑問を投げられるようにできないか。

関心の強い人と弱い人の階層がある。関心の強い人は向こうから来てくれるが、あまり関心のない人をどう惹きつけるか。兵庫ではコウノトリ。丹沢では「水」がキーになるのでは。暮らしていく上で必要な水が丹沢から来ている。

シカの管理が必要だが、かわいそうという意見も強い。シカの数の変化と,環境への影響にも時間差がある。かなり丁寧に説明し,十分理解してもらわないといけない。

このワークショップ程度の規模での議論を続けて理解してもらうのがいいが、今の行政には手が足りない。県民の側がサポートできないか。

行政と住民が連携して、関心を持っている県民を、関心のない人に橋渡しをするコーディネータとして育てていくことで、もっと情報提供をする仕組みになるのではないか。保全センターで、コーディネータ役の人達が集まれる場所を提供。

森林公社の友の会では、体験学習をやる際、学校側で足りない予算をバックアップしていたが、予算がなくなるとできなくなった。

行政や民間の力で、森や山に行って現地を見てもらう機会を広げるのが大事。

丹沢の山小屋を活用したらどうか。10~20分程度映像を流せば必ず見てもらえる。

ビジターセンターでも職員がスライド等を使って行ってきたが、予算が減って今後無料でやることが難しい。関心のない方々はより離れていってしまう。

広く県民に伝えていくための予算は必要。何らかの対応ができないか。

水源環境税の使われ方について、市民も入れた検証が必要なのではないか。

県民に対する情報発信は大事。情報提供の予算が不足しているのならもっと水源税を使ってもいいのではないか。

植生の調査と対策についても水源税による対応を求めたい。

 

地域住民との連携、協調

山麓等の地域に暮らす方々を丹沢再生計画に参画していただくための手法。

地域住民は、農地の被害対策やクマなどの動物の生息状況に関心が強い。

山に入る中高年が多いが,山に入る人から情報を集める方法があるとよい。

山麓等で実際に動物の被害を受けた方の話を聞く機会がほしい。

中高年で山に行く人が非常に多い。こういう方に対する啓発活動が重要。

森林管理とシカ管理は、行政と民間(NPO)の協力関係がないと動かない。

秦野市は20年計画で市民が参画して行う計画を立てたが、このような行政が中核として市民と一緒に計画を進めていく仕組みが必要なのでは。

行政がどういうところで、どういう仕事が求められている等の情報を出して、参加する意思はあるが機会のない人たちを取り込んでいく開かれた行政、情報提示が必要。

鳥獣保護員、緑の監視員等、地元住民であり県でもある人たちに情報を提供していくことが大事。

林業従事者やシカのモニタリング等、必要な知識、技術を持つ人を将来的にどう確保していくか、が緊急の課題である。

農家の方が自分の畑を守るため、箱わなの資格を取って、自分で対策を取れるよう、研修会の開催等進めていきたい。

 

まとめ

水をテーマに関心を持ってもらう

山小屋で情報提供、鳥獣の被害を受けた人の話を聞きたい

地域再生に絡めて行政とNPOが連携して地域の問題を解決、市民運動を展開

今後の管理の実行者をどう育成していくか

予算の確保も大事 水源税の活用も引き続き十分な議論をやってもらう

 

このページに関するお問い合わせ先

このページの所管所属は 自然環境保全センターです。